アサプラヘッド

アサプラヘッドの種類&特徴、厚さやコーティングの仕様等々、モデル名も含め解説してみました。

製品コード(モデル名)の見方

アサプラヘッドの製品コード(モデル名)を詳しく説明します。

例えば以下のような製品コード、

PE-250C14
最初の「PE」がタイプです。PE = LC Head。
250は厚さ。 Cはコーテッド。
14はヘッドの口径(インチ)です。

Headタイプ

以下のようなタイプがあります。

  • SL Head - アラミド繊維(テクノーラ®)を基材とした繊維ヘッド
    TEから始まるコード
  • LC Head - 熱加工されたフィルムによるヘッド
    PEから始まるコード
  • ST Head - スタンダードなフィルムによるヘッド
    STから始まるコード
  • S2 - 2plyヘッド
    S2から始まるコード
  • M2 - マーチング用の2plyヘッド
    M2から始まるコード
  • Origin - 本皮ヘッド
    Originから始まるコード
厚さ

LC HeadとST Headは厚さが製品コードとなっています。

  • 075

    スネアサイド専用の厚さです。薄すぎるために打面には向きません。

  • 150

    打面にも使用できるヘッドとしては最も薄いものです。
    ボトム用、およびタム兼スネアとして使用する場合には最適かもしれません。
    ※ST Headのみ

  • 175

    REMO Diplomatよりも薄いヘッドです。
    ※ST Headのみ

  • 188

    一般的に薄いと言われる厚みです。
    フィルムヘッドが登場した時期〜1970年代まではこの厚さが標準でした。
    おおよそREMO Diplomatと同じ厚さです。

  • 250

    現在標準的な厚さです。
    REMO Ambassadorと同じ厚さです。

  • 300

    厚めのヘッドです。
    アサプラ以外の厚めのヘッドよりレスポンスが良く高域も失わず、サステインも250同様にあります。

SL Headは厚さが000〜02となっています。
LC HeadやST Headのフィルムヘッドと異なり、厚さによって音質や特徴が異なります。 000が最も薄く、00・01・02の順に厚くなります。

  • 000

    繊維の織りが見えるほど薄いヘッドです。
    極めて早いアタック、長いサステインと豊かな高域が特徴です。
    繊維の織りが見えるため、ブラシ奏法には向いていないかもしれません。

  • 00

    薄めではあるものの、ほぼ標準的な音です。
    00が薄いのか標準なのかの判断は人によって異なります。
    ASPRは薄いとしています。middlecentre instrumentsは標準厚としています。
    早いアタック、ほどよいサステイン、ナチュラルな音が特徴です。

  • 01

    標準的な厚さ&音です。
    ASPRは標準厚としています。middlecentre instrumentsは厚めとしています。
    自然なアタック、短めのサステイン、太めの音が特徴です。
    レコーディングでコンプレッサーとゲートをかけたようなバランスの良い音が特徴です。

  • 02

    SL Headで最も厚いヘッドです。
    太いアタック、短めのサステイン、和太鼓のような太く重い音が特徴です。

コーティング

SL Head、LC Head、ST Headの製品コードは一部を除いて共通です。

  • C - コーテッド

    SL HeadとST Headはホワイトコート、LC Headはエクパンドコートが基本です。
    ホワイトコートは硬め、エクスパンドコートは柔らかめです。

    ホワイトコートは高域の鋭さのあるモダンな音です。
    ブラシサウンドも高域寄りで、分離がはっきりします。

    エクスパンドコートは暖かくクラシカルな音です。
    ブラシサウンドも柔らかく、音量は大きめです。

  • T - クリア

    LC Head、ST Head共に共通です。
    SL Headにはありません。

  • D - ドット

    センタードット付きのヘッドです。
    太いアタックと高い耐久性をもたらします。

  • CW - ホワイトコーテッド※LC Headのみ

    ホワイトコートされたLC Head専用のコードです。

ヘッド材

LC Headは熱加工(アニールド)されたフィルム、ST Headは熱加工なしのプレーンなフィルムです。
ST HeadにはSWフィルム(乳白色の柔らかいフィルム)のラインナップもあります。

S2・M2は2plyのフィルムヘッドです。

SL Headはアラミド繊維(テクノーラ®)を基材とした繊維ヘッドです。

Originは本皮です。
詳しくはOriginページをご覧ください。

  • アニールド(熱加工)フィルム = LC Head

    熱加工されたフィルムは分子が整い、各方向へのテンションが均一になります。
    同時に若干硬度が増すので、オープンな高域の広がりとタッチの硬さがあります。

  • プレーンフィルム = ST Head

    熱加工されていないプレーンフィルムはより柔軟です。
    標準的なヘッドです。

  • SWフィルム = ST Head

    SWフィルムは「ST-○○○SW○」という型番です。

    SWフィルムはそのものが柔らかく、プレーンフィルムより「もちっ」とした音が得られます。
    フィルムの性質上、Ludwigのオールドヘッドに似ています。

アサプラヘッドのサウンドデザイン

アサプラヘッドは、基材(フィルム・繊維)、厚さ、コーティングから、考え得るあらゆる音を実現しています。
以下はコーディネイト例です。

  • 1960年代のジャズスタイル

    当時のヘッドの標準は188の薄さで、概ねコーテッドでした。
    スネアのバターサイドはPE-188CかPE-250C。
    タムは上下ともPE-188Cか、ボトムにST-150やST-175も考えられます。
    エクスパンドコートの方が柔らかく中域の倍音が豊富なので、特に打面側はLC Headがおすすめです。

  • 1970年代のロックスタイル

    より音が大きく厚い250が主流になった時代です。
    打面側はST-250SWC(ホワイトフィルム&ホワイトコート)が最適です。
    1960年代と同様にドラムキット全体をひとつの楽器と考えていたので、タムのボトムも広がりのあるコーテッドが適します。

  • 1980年代のニューウェーブ・フュージョンスタイル

    タム類の深さが増し、ドラムのレコーディング方法も変わった時代です。
    タムのヘッドはクリアが中心となり、センタードットも一般的になりました。
    各タムやスネアの分離を最優先とするので、コーテッドは好まれませんでした。
    スネア以外はクリア、およびクリア&ドットがお勧めです。